#ライカM2メッキ剥離
#カメラレストア
#カメラリペイント
#カメラ塗装
#カメラ後塗り
#Leica repaint
ニッケル・クロームメッキが施されていたカメラのトップカバーとボトムプレートのレストアにおける塗装工程(その1)として前処理下地造り工程を紹介させていただきます。
カメラの塗装を綺麗に仕上げる為には、メインの塗装工程よりも前段階の下地造りが最も重要だと考えております。
下地造りが塗装仕上りに大きく影響します。
復刻堂の綺麗に仕上げる為の塗装前下地造り工程を詳しく説明いたします。
剥離サンプル:Leica M2 トップカバー/ボトムプレート
メッキ剥離
ニッケルメッキ剥離槽に浸けられるトップカバーとボトムプレート
元来トップカバーとボトムプレートには非常に頑丈なニッケル・クロームメッキが施されております。
塗装する為にはこのメッキを剥離しなければいけません。
メッキの上から塗装すると密着性が悪く簡単に剥離し塗装不良となります。
塗装の仕上がりに高いクオリティを求める為に下地造りに拘ります。
ニッケル・クロームメッキを剥離する為には、クロームメッキ剥離とニッケルメッキ剥離の2段階剥離工程が必要です。
この金属母材は真鍮製です。
真鍮母材を荒らさないよう慎重に剥離工程オペレーションが必要です。
表面や刻印部に悪影響が出やすいので非常に繊細な作業が求められます。
剥離液に浸けて放置すれば良い訳では決してありません。
剥離槽から中和洗浄槽を経て上がってきたトップカバーとボトムプレートです。
ニッケル・クロームメッキが完全に剥離され真鍮母材がむき出しになっています。
赤茶けた色は、空気に触れるだけで早くも酸化が始まり酸化被膜に覆われているからです。
このメッキ剥離には専用の設備・剥離剤が必要で、劇物・毒物で厳重な管理が必要となります。
復刻堂ではよりクオリティの高い製品造りに専念する為に、メッキ剥離はISO取得の安全管理の行き届いたメッキ専門工場協力会社にお願いしております。
ISO14001・ISO9001・ISOISO27001取得
ご覧いただくとお解りいただけると思いますが、母材や刻印部を荒らさずにメッキが綺麗に剥離されています。
これは管理が行き届いたベターベストなオペレーションが行われた証左です。
板金修正
メッキ剥離後真鍮地金が露出していますが、ここでアタリや凹みキズ・穴あきを熟練板金職人の手により綺麗に修復します。
黒マジックで○印をつけているところがアタリ凹みキズです。
こういった傷はこのまま塗装しても隠れずに逆に目立ってしまいます。
塗装前に綺麗に修復する必要があります。
細かな小さな凹みキズが散見されます。
気が付いた凹みキズは全てマーキングします。
トップカバー天面や正面は特に目立ちますので、小さな傷も見逃さずにマーキングします。
熟練職人により板金修正が完了しました。
アタリ凹みキズは綺麗に修復されて、目視では判らないくらい綺麗に直っています
修正前のマーキング個所と比較していただけましたら解ると思います。
如何でしょう?
この仕上り。
マーキングしていたところの小さなアタリ凹みキズ綺麗に直っております。
アタリや凹みキズは完全に修復されて、ブラスト処理で綺麗に仕上がりました。
真鍮地金が出て本来のあるべき姿に蘇りました。
曲線や直線・角・アール、確り再生されて美しいデティールが再現されています。
刻印部もしっかり再現されております。
これで塗装前の下地造り処理の完成です。
この下地造りによって、次工程の本番塗装工程において非常にクオリティの高い塗装が実現できる訳です。
塗装仕上りの全てはこの下地造り前準備に有ると言う事です。
ここから本番塗装工程に向かいます。
ここまでが復刻堂の塗装前下地処理工程です。
塗装専用治具に装着し脱脂・密着剤塗装に向かいます。
復刻堂のRestore/Repaint商品はこの様な工程を経て製品となっております。
塗装工程(その1)はここまでとさせていただきます。
今後の塗装工程(その2)次回紹介させていただきます。
留言