Leica Mp 0.72ファインダー内に多数の塵や埃・カビや汚れの有る個体をメンテナンス承りました。
写真は洗浄前のトップカバーを取り外したところの画像です。
赤丸のところに多数のカビに因る汚れが見られます。
Mpは2003年~の製造なので、比較的新しい個体ではあるのですが、やはり20年前後の経年使用や保管方法によりファインダー内にカビが生えてしまう事が多々あります。
もう少し判りやすくアップの写真を掲載します。
ビューファインダー凹レンズの外から見ても視認できるカビが散見されます。
次にビューファインダー凹レンズを取り外してビューファインダープリズムを露出させてみます。
ビューファインダープリズム全面にカビが生えています。
もっとアップにしてみましょう。
とても高価なカメラですので、ここまでカビが生えてしまうと残念ですね。
Mpのビューファインダープリズムのコーティング膜表面にカビで被われてしまっています。
カビは増殖し伝搬しますので、このままほっておくとカメラ全体にカビが生えてしまいます。
なので、早期に処置が必要ですね。
今回はこのファインダー内に生えたカビや汚れ、不快な塵や埃の除去を中心に洗浄・クリーニングいたします。
カビは長期に亘って放置すると根が生えてコーティング膜を侵食し剥離させてしまいます。
なので、カビは綺麗に除去出来ても、破壊されたコーティング膜にカビの根がはった痕跡が残ってしまいます。
この段階においてはカビの根がコーティング膜を侵していない事を祈るばかりです。
まず洗浄にあたって、カビはアルコールやアセトンで除去出来ません。
当工房では特別に調合したカビ除去剤を使用します。
次の写真はビューファインダープリズムの前に付いている凹レンズの内側の画像です。
やはりここにもカビが生えていますね。
コーティング膜はソフトコートなので傷が付かない様に、光学専用のクロスにカビ除去剤を塗布して、丁寧に洗浄していきます。
最初にカビ除去剤をクロスに浸してカビの生えた部位に貼り付けます。
しばらく放置して、カビが分解されたところで、専用クロスで洗浄していきます。
するとカビだけでは無く、他の経年により蓄積された油分やチリやホコリ・汚れも根こそぎ綺麗に除去出来ます。
そして洗浄後は薄っすらと紫色のコーティング膜も生成されます。
これで防カビコートも完成されます。
いよいよ洗浄後の綺麗になったファインダーをご覧ください。
カビだけでなく塵や埃・汚れも根こそぎ綺麗に除去出来ました。
幸いオリジナルのコーティング膜もカビの根に侵食されておらず、新品時のクオリティが保持されています。
メンテナンスに因る拭き傷等もございません。
もう少し判りやすくアップの写真をご覧ください。
次の写真はビューファインダープリズムの前にあるビューファインダー凹レンズの内側です。
レンズの内側にあったカビも綺麗に除去されました。
表側には作業中の傷防止の為に光学専用の不粘着タイプの保護シートを貼っています。
次に綺麗になった光学パーツを組上げ完成させます。
プリズム前面にマスクカバーを取り付けします。
ビューファインダー凹レンズを取り付けます。
せっかく綺麗になったので、この組み付け時に無用な塵や埃の混入が無いよう、帯電防止の上作業を進めます。
チリやホコリの混入も無く無事にファインダーブロックが組み付け完了しました。
次にトップカバーを取り付けて完成です。
組み付け前にトップカバーに取り付けられているビューファインダー窓・採光窓・レンジファインダー窓も綺麗に洗浄・クリーニングしておきます。
無事に組みあがりました。
ビューファインダー窓を外観から覗いても、カビや汚れの痕跡も無く、塵や埃の混入も無く、とても綺麗に仕上がりました。
これで気持ちよくお使い頂けるのではないでしょうか。
とても綺麗になりましたね。
こういったカビが生えたカメラでお困りの方是非ご相談ください。
真心こめてメンテナンスさせて頂きます。
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